首页 > 人民日報海外版日本月刊> 正文

ビジネスを基軸に日中経済交流の架け橋に

~日本中華總商会設立20年を振り返る~

来源:人民日報海外版日本月刊    

二十世紀八十年代、中国は開放改革の新しい時代を迎えた。長きに亘って閉ざされた国の扉が開かれ、大勢の若者が郷里と家族の期待を背負って、海を越えて豊かで先進国である日本に渡り、勉学や仕事に夢を求めて奮闘し始めた。

九十年代以降、中国経済の高度成長に伴い日中経済関係が深く交じり合うにつれ、新華僑と呼ばれる彼らの多くが機会を掴んで創業し、日本の社会の中に根を張り、ビジネスの腕を磨きはじめた。祖国である中国の巨大な市場と旺盛な需要に助けられ、また専門知識や日本の商習慣に明るいことから、日中両国の経済交流の中で頭角を現し、次第に無視できない存在となった。

ビジネスには交流とネットワークが付き物である。当時在日華商はおよそ老華僑およびその二世三世が経営する企業、中国企業の日本法人および新華僑が起業した企業の三部分に分けられた。日中間の経済交流の拡大に従い、この三種類の華商を総べ、各業界をカバーして代表性に富む在日華僑華人経済団体を作ることは時代の要請となっていた。

老華僑の有志や中国企業の在日法人などの積極的参画を得て、1999年9月9日に新華僑が経営する企業が主体となる日本中華總商会は東京で誕生した。


1999年9月9日に東京で開催された日本中華總商会の設立大会

初期の總商会の最大の課題は、いかにして中国政府や海外の華僑界に承知し、認めてもらえるかであった。そのため二年に一度の世界華商大会を日本に誘致することは、誕生間もない總商会の主な仕事となった。2001年南京世界華商大会に参加する機会を活用して、「東瀛の夜」というイベントを催し、続いてシンガポール、タイ、香港などの中華總商会に代表団を送り、誘致に力を入れた。熾烈な競争の結果、ついに2007年神戸で第九回世界華商大会を主催する権利を勝ち取った。

2007年神戸世界華商大会は、在日華商華人の総力を集結し、世界中から3,000人を超える華商を迎えて、盛大に完遂された。その成功は世界華僑界に若い日本中華總商会の実力と可能性を示し、中国政府や関連機構、また海外華僑経済団体の中での確たる地位を築くことができた。時の会長であった顔安氏は、このような盛大な会議を主催することを通じて、總商会が様々な困難や意見の分岐を乗り越え、各方面の力を結集して、会員を団結し、幹部を鍛えることができたと総括していた。このことは、その後会の発展に大きく寄与し、いわばマイルストーンになった。


2007年9月に神戸で行われた第九回世界華商大会

總商会の20年は、中国経済が飛躍的に発展する20年であり、日中経済が深く絡み合う20年でもあった。その間に總商会の中で、多種多様な価値観がぶつかりあい、各方面の人材が擦り合い、自らのアイデンティティを追い求めていた。実践と模索を繰り返した結果、海は百川(ひゃくせん)を納め、容(よう)の乃ち(すなわち)大(だい)なる有りの如き、今日のような在日華商の代表となる總商会ができあがった。

長い間總商会の会長職にいる厳浩氏は、日本中華總商会の名称には込められている意味、つまり「日本」と「中華」、そして「商(ビジネス)」で総べるという意味について頻りに強調する。

すなわち、總商会の基軸は「商」にあり、ビジネスにあること。会員企業の発展、そして地域経済への貢献をめざし、ビジネスに徹することである。会員同士の交流はもとより、日本と中国、そして日本と海外華僑界を橋渡すための交流プラットフォームとしての基本的な役割が總商会にあるとの自覚である。

次に、「中華」という資源を積極的に生かすこと。個々の企業だけではできない日中交流や、世界の華僑華人団体・企業とのネットワークを積極的に活用して、会員にビジネスチャンスを提供し、ネットワークの構築に役立たせることである。

そして、何より重要なことは、華商は客分的な存在ではなく、日本社会に根ざさなければならないこと。總商会が創設当初から提唱し、会員企業に日本の法令やモラルを遵守し、社会の主人公として企業経営に励むようと呼びかけ、率先して実践していることでもある。

總商会の企業会員数は発起当初の40社余りから、現在の400近くに上り、在日華僑華人が経営する代表的な企業をほぼカバーするようになった。さらに、中国の各地域出身の在日経営者が組織する地域団体の加盟会員も約20団体があり、總商会の代表性をより高めた。加えて、有力な日本企業約70社も賛助会員として参加され、總商会の活動を継続的、積極的に支援してくれた。

長年の実践を通じて、總商会には比較的成熟した運営管理体制ができあがっている。理事会、執行理事会の下に運営、渉外、広報、総務の四つの専門委員会が設けられ、会員サービス、対外交流、宣伝および内部管理などの各種事業活動の企画と実施を担っている。「例会(会員交流会)」「セミナーと企業視察」「迎春会」「賞月会」「華商経済フォーラム」などのブランド活動は会員向けサービスの強化と日本社会ことに経済界との交流に重要な役割を果たしている。また、毎年の中国視察団、世界華商大会への代表団および海外華僑経済団体との日常交流活動は、会員の視野と人脈の開拓、ビジネスチャンスの創出、そして日中、日本と海外華僑界との交流促進にも貢献している。


例会(会員交流会)


2018年10月に東京で主催された第三回華商経済フォーラム

このように、總商会の役割は日々顕著になり、団体としての機能も向上し、社会的地位も広く内外各界から注目されるようになり、在日華僑華人の最も代表的な経済団体になった。

古人曰く。二十不悔、三十而立(二十に悔いあらず、三十にして立つ)。

總商会が2019年9月に設立20周年を迎えた。厳浩会長は次のように語った。外部環境がいかに激しく変化しても、總商会としては華商へのサービス提供を堅持し、会員および各方面との交流プラットフォームの構築を使命とする初心を忘れず、「商」「中華」「日本」の三つの軸から逸れることなく、在日華商を団結して自らの強みを発揮すれば、きっと素晴らしい明日を切り開き、華商事業の発展と日中経済貿易関係の深化に新たな貢献ができよう。